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ザ・スーパー・ポップ宣言

フリーソウル未収録推薦曲

フリーソウルコンピ未収録推薦曲(1)

SALSOUL ORCH 180.jpg

FREE SOUL コンピ未収録曲

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フリーソウルコンピ未収録推薦曲@YOU TUBE

CAFE APRES-MIDI ベスト10


【FREE SOUL CAFE APRES-MIDI リンク】

橋本徹のカフェ・アプレミディ-フリー・ソウル-サバービアへジャンプ

【 フリーソウルコンピ未収録推薦曲 】

雑誌RELAX 2001年7月号に掲載された橋本徹氏の「FREE SOUL 2001」の膨大な曲のリストのうち、FREE SOUL、CAFE APRES-MIDI、RESORT+MUSICなどの各種橋本徹さん監修のコンピに収録されていない曲を中心にフリーソウル系の曲でお勧めの曲を紹介していきます。

【 ポップ偏差値 79

Frankie Valli / Can't Take My Eyes off You (2022 Wall Of Sound Long Version)



【Original】Composer/B. Crewe, B. Gaudio Producer/Bob Crewe Arranger/Artie Schroeck, Bob Gaudio

【2022 Wall Of Sound Long Version】Vocal/Frankie Valli Instrument, Arrange, Produce/@otokabe_master

名曲「Can't Take My Eyes off You」を2022年に新たにウォール・オブ・サウンド・ロング・バージョンとして作成しました。ヴォーカルだけ抽出し新たなアレンジのもとサウンドは全て新規録音されたもので、所謂二次創作にあたる非公式・未公認の楽曲です。本作は@otokabe_master氏に作って頂いた「ウォール・オブ・サウンド・シリーズ」の4番目の作品となります。「YOU TUBE」でShort Edit版が聴けます。(なお、説明欄では@otokabe_master氏に寄稿頂いた解説を読むことが出来ます。)また、こちらでも聴くことができます。以下、ネタバレを含みますので、まずは上記リンクよりお聴き頂くことを推奨致します。

オリジナルは4シーズンズのリード、フランキーヴァリによる1967年のヒット曲。secondhandsongsによると396ものカバーが存在する大人気曲ですがウォール・オブ・サウンド(音壁)化でのカバーは皆無のようです。4シーズンズ自体も1964年のRAG DOLLがウォール・オブ・サウンド(音壁)的ですが、本曲は音壁ではありませんでした。然しながらサビではタンバリンが使われるなどかなり音壁が嵌りそうな素材ですし、私も大好きな曲なので@otokabe_master氏に音壁化を依頼致しました。

オリジナルの将に60年代な古めかしいサウンドは味は有りますが、現代でも通用するかと言われればかなり疑問符が付く内容。音壁版では転がるドラムなど60年代の風味を残しつつも現代にも通用する絶妙なアレンジになっています。特に音圧が大きいのが爆音での鑑賞に十二分に対応出来ているかと。これまでの@otokabe_master氏の作品同様ピアノやカスタネット、鐘の音などが中心の音壁ですが、オリジナルと比べかなり華やかな雰囲気になりました。フランキーのリードを盛り立てるカスタネットの音色はオリジナルに入っていても良かったのに・・・というぐらいの相性の良さ。特にこの曲最大の特徴であるキャッチーなサビでのすこし大きめのカスタの音色や音壁群はフランキーのリードの盛り上がりを更に盛り立て抜群の相乗効果となっています。これを聴いてしまうとオリジナルには戻れなくなってしまいそう。

そして圧巻なのは、オリジナルにはなかったインストパート。ここではオリジナル以上に世界的ヒットとなったボーイズタウンギャング版のインストのメロディを流用、追加挿入して頂きました。「君の瞳に恋してる」として日本でもヒットしフリーソウルコンピにも収録された人気曲ですが、ロングバージョンで聴けるインストパートはオリジナルの世界観を踏襲しながらも独自に創造されたメロディ。上品なストリングスで奏でられるメロディは実に清々しく心に沁みる優雅な内容で私も大好きです。軽いディスコサウンドは全く好みではなかっただけに、このパートをフランキーの歌声と繋げて聴けるのは将に二次創作ならではですね。

一回目はサビの終わりと共に消えてしまった力強いカスタの連打がそのまま継続し、華麗に舞い上がるストリングスを伴いこのインストに突入。重厚な音壁をバックにボーイズ版ではストリングスが奏でていたメロディをここではピアノが力強く、優雅に音壁してくれます。音楽万歳!音壁万歳!と叫びたくなる将に超極上のサウンドかと思います。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ楽器瑞々しさボーナス(音壁&二次創作)ポップ偏差値合計
810977101081079


【 ポップ偏差値 75

BERRY LIPMAN ORCHESTRA & SINGERS / DIE GIRLS VON PARAMARIBO 「パラマリボの娘」ドイツ語バージョン '72



70年代中心にイージーリスニング界で活躍したドイツの著名な作曲、編曲家兼オーケストラ・リーダーのベリー・リップマンの72年の作品。この曲をどうカテゴライズすれば良いのかよく分からないけどドイツ産「スキャット入りサンバ」って処ですかねえ。因みにパラマリボというのは南米スリナム共和国の首都の名前。内容は「イージーリスニング界の」というイメージとは程遠いかなりグルーヴィーで熱いサウンド。

疾走感のあるサンバ・トラックはストリングスなどを交えて実に厚みがある。そして厚みはあるが途中小休止的箇所を交えたりとサウンドの押し引きも絶妙。リズムもグルーヴィーでかなり黒っぽいというか激しくノリが良い。全編通して聴ける爽やかな声質による女性のスキャットも小気味良く、心地よい。随所に入るパーカッションも実に効果的で一々その演出には「ハッ」とさせられます。ハーブアルパート辺りを意識したかのようなホーンほか全ての音の響きが心地よく、途中間奏部分の高揚感あるスキャットと優雅なストリングスの絡みなども極上中の極上。ドイツ語で歌われる男性ボーカルも異国情緒溢れて味わい深く、これは是非各自英語バージョン「The Girls From Paramaribo」と聴き比べて欲しいですね。

ベリー・リップマンは楽器の演奏もやるようだけど、オーケストラ・リーダーらしく構成されるあらゆる音を複合的かつ立体的に絡みあわせ全体として超極上のスキャット・サウンドを築きあげている。個人的に生涯聴いてきたあらゆるジャンルの音楽の中でも間違いなくベスト30に入る超一流の名曲。日本編集のCD「パラマリボの娘」などに収録されていますが「DIE GIRLS VON PARAMARIBO」とうドイツ語のタイトルのものが私のお勧め曲になります。「The Girls From Paramaribo」というタイトルのスキャット入りインスト版、「MY HEART SKIPS A BEAT」というタイトルの英語版などもありますのでCDを買う時はご注意を。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(スキャット)ポップ偏差値合計
7899109108575


JESSE GREEN / COME WITH ME LP「COME WITH ME」(EMI)'77 「FREE SOUL 2001」未掲載

JESSE GREEN

出だしの軽やかなギターの刻みが終わるとともに、非常に爽やかなストリングス中心のイントロがあっという間に体を空高く舞い上がらせてくれる。高揚感という表現はまさにこの曲の為にあるよ。続くヴォーカルも明るく軽めでくどくない。メロディは明るく甘めで少し情緒的。テンポはミディアム。ところどころファルセットで唸りが入るのが実に気持ち良さそうで、鳥にでもなって空を自由にピクニックでもしているかのような実に爽快なサウンドだ。曲は5分44秒と長く、全体的に楽器演奏部分が多いのでそんな素晴らしい世界を思いっきり堪能できるのが良い。BARRY WHITE,JOHNNY BRISTOLなんかのスカイハイサウンドが好きな人ならきっと気に入ると思う。いつ山下達郎がオンエアしても、橋本徹がコンピに入れてもおかしくない素晴らしい曲だ。

この曲は現在発売されているCD「Nice and Slow」にも収録されているが長さは不明。ただしLP「Nice and Slow」には未収録。7インチシングル「COME WITH ME」は収録時間が少し短いようだ。画像はCD版「Nice and Slow」と7インチシングル「COME WITH ME」。

この曲を初めて聴いたのはたしか渋谷のFACE RECORDSというところが作った音の悪いミックステープ「FLOW MIX」だった。この曲を始めいくつもの素晴らしい未知なマイナー曲を紹介していた素晴らしい内容だった。ジャマイカ人のこのJESSE GREENという人は70年代にいくつかのディスコヒットを出しているようだ。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(高揚感)ポップ偏差値合計
891098989575


CARLTON AND THE SHOES / LOVE IS ALL '76「LOVE ME FOREVER」(STUDIO ONE PSOL 003)

CARLTON AND THE SHOES.jpg

ロックステディ/初期レゲエを代表する名作アルバムから。アルバムは76年リリースだが録音自体は68年頃に行われていた模様。他にもLove Me Forever, Never Give Your Heart Away, Sincerely Yours(ロックステディ偏差値72), Me And Youといった名曲がゴロゴロしているのだが、その中でも「LOVE IS ALL」はロックステディの頂点に君臨する名曲中の名曲だ。

基本は軽快でノリノリなロックステディのリズムで、骨太なベースは音が歪みまくっている。それがこのリズムのイキイキとした躍動感の表現に一役買っていて生命感を大いに感じさせる。チャキチャキして忙しいギターとチープな音色のオルガンの響きも素晴らしい。それらこの時期の黄金リズムにのってCARLTON AND THE SHOESの淡白で甘く優しいハーモニーがさわやかに響き渡るのだから堪らない。

因みに橋本徹氏はFREE SOUL 2001においてこのアルバムではなく、長らく幻の名盤とされていた激レア激高値盤のセカンド「THIS HEART OF MINE」からGIVE ME LITTLE MOREを選曲しているんだけど、そんなにいい曲ですか?これ。メロディも曲の出来もリズムもいまいちパッとしないし、この程度の曲ならどこにでも転がってるヨ。せいぜい偏差値55程度。氏の耳を節穴とは思っていないので、結論としては単にお皿自慢をしたかっただけだと思うな。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(音の歪み)ポップ偏差値合計
77910109108575


TRAMMPS / TRAMMPS DISCO THEME '75

TRAMMPS DISCO THEME 2.jpg TRAMMPS DISCO THEME.jpg NARUHODO.jpg

フィリーダンサーといえばトランプスですが、フリーソウル界隈ではあまり話題になってないみたいですね。「FREE SOUL the classic of SALSOUL」なんてのが出てるのに、この70年代ダンスサウンドの象徴とも言えるトランプスが一曲も関連コンピに取り上げられていないのは本末転倒ではないかな。日本では往年のTVクイズ番組「なるほど!ザ・ワールド」のテーマ曲として有名。大空を飛ぶ航空機の映像と共に使われていたので、この曲から飛行機での空の旅を連想される年配の日本人は相当多いものと思われます。私もですけど(笑)。それと、どうやら画像2の通り「全米カレッジ・フットボールのテーマ」としても使われていたもよう。これは知りませんでしたが、どんな使われ方だったんでしょうね。

インスト曲ということもあって、その当時は景気のいいBGM程度にしか認識してませんでしたが、ソウルを本格的に聴き始め、この曲に再会してみてビックリ!最高のダンスサウンドじゃあないですか。なんといってもアールヤングの機械的ながらも黒いグルーヴを感じさせるドラミングに痺れます。そんなタイトなバックに華麗なストリングスや管、ハープなどの厚いオーケストラが入り、その奏でるメロディが爽快感いっぱいで素晴らしい。飛翔感、高揚感、スピード感、流麗な展開、空気の乾燥感、明るい未来感、と70年代中期の空気の美味しい部分をふんだんに盛り込んだ最高のダンスインスト作です。それにしてもハープの入れ方なんかを聴くと「山下達郎 / LOVELAND, ISLAND '82」と少し共通項を感じますがいかがなもんでしょう。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(飛翔感)ポップ偏差値合計
87108109108575


【 ポップ偏差値 74

MODULATIONS / LOVE AT LAST 『IT'S ROUGH OUT HERE』'75 (UK-SEQUEL 628)
「FREE SOUL 2001」未掲載 「甘茶ソウル百科事典 P.95,242(MOONY'S 067)」 「U.S.BDG 275」


MODULA

このブログの主旨「ポップ」という概念に見合った最高の甘茶フィリーダンサーだ。タイトなドラムと躍動感のあるリズム、乾いた華麗なストリングスは来るべき明るい未来を約束し、どこまでも澄み切っている。高揚感を感じさせながらもどことなく切なくさせるコーラスは甘茶ソウルのマナーをしっかり守っている。メリハリの効いたちょっと凝った歌いまわしのボーカル。これで体が動かないはずがありません。踊れます。しかも泣けます。泣きながら踊れる甘茶フィリーダンサーのNO.1ソングです。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(泣き踊り)ポップ偏差値合計
68991010107574


CHUCK RAY / DON'T LET GO 「SOME MODERN SOUL THE BUDDAH COLLECTION '90」収録 「FREE SOUL 2001」未掲載

SOME MODERN SOUL BUDDAH COLLECTION.jpg

ブッダのモダンソウルコンピ収録。シングルも出ている模様。フリーソウルコンピにはCURT DARLINなんかも収録されたのだから当然この曲が入っててもおかしくないのだが、果たして橋本徹氏はあえて外したのか、、、きっと知らなかったんだろうな。CURT DARLINと比べれば遥かにフリーソウル然とした内容だもの。とまあ、そういった疑問が沸くような素晴らしい内容の曲であります。

軽快極まりないリズムはこれぞモダンソウル!と呼ぶに相応しく、高揚感のあるメロディにちょっと濃い目の歌い方が妙味だネ。「ラーララララーラー」,「フフウウー」といった楽しく明るく高揚感あるコーラス、軽やかな管楽器、コーラスとヴォーカルのスピード感ある絡み、ちょっと泣きの入った甘いメロディは究極の黄金旋律と断言したくなるほど。とどれをとっても素晴らしい内容でこれをコンピに入れない手はないよなあ。それにしても軽快なサウンドはともかくこのヴォーカルは生粋のソウルファン以外には一体どのように聴こえるのだろうか。これでも濃すぎるのかなあ。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(モダンソウル)ポップ偏差値合計
8810991078574


【 ポップ偏差値 73

SAPO / WISHBONE '74 「SAPO」

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ガマガエルという名前のラテン・ロック・グループの74年の同名アルバム収録曲。フリーソウル・コンピ収録のラテンロック名曲というと「MALO / NENA」が思い浮かびますが、このグループは将にそのマロのメンバーなども在籍した由緒あるグループ。メンバーはコンガやホーンなど含めて総勢10人にも及び、成るほど厚みのある音造りを聴かせてくれます。

この曲はアルバム収録曲の中でも最も疾走感、躍動感に溢れる強烈なラテンロック。緊迫感のあるボーカル、小刻みに叩かれるコンガの生命感、切れ味鋭いホーンセクション、ドラム、ベースの一体感に加え、ギターのリフレインも滅茶苦茶カッコイイ。特に2分27秒のところで、ギターのみが浮き上がって来る所なんて鳥肌もんだね。インスト部分も多く、様々な楽器が複合的に絡み合う様が堪能できる曲なので、是非大型スピーカー・システムで爆音で鳴らして欲しい。

日本盤ライナーによると「60年代にキューバで生まれたリズム、モザンビーケを感じさせるナンバー」ってことなんだけど、こんな素晴らしいグルーヴが体感できるなら是非聴いてみたいリズムですね。どなたかモザンビーケのお勧め曲がありましたら教えて下さい。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(疾走感)ポップ偏差値合計
89710107107573


フィーバー 熱い気分のさめないうちに '79 穂口雄右作曲 大村雅朗編曲

FEVER fever sinkyoku.jpg

79年というとシック/おしゃれフリークやヴィレッジピープル/YMCAなんかがヒットした年です。ビージーズのサタデーナイトフィーバーが77年だからディスコブームも一般化、一段落して、ディスコ系音楽が幅を持ち始めた頃と解釈してます。フィーバーのこの曲はそんな時勢を反映し、アイドルポップとしては珍しいディスコ色の強いものとなっています。ただしそんじゃそこらの似非黒人もどきやディスコとは名ばかりの軟弱で形骸化したポップスではなく、しっかりとしたグルーヴを持った曲です。

トラックは黒人特有のうねるようなファンキーなリズム主体のディスコではなく、疾走感のあるアップテンポでポップなもの。その軽やかさとスマートな内容からはディスコというよりもモダンダンサーと呼んでみたいナ。生音で構成されたバックではタイトなドラムが実にカッコよく決まっています。手拍子の音も実に効果的で楽しさ、軽やかさ、ノリのよさを演出してますネ。この数年後の電子/打ち込み楽器時代到来前夜の、まさに時代が生んだ奇跡の名曲といえるでしょう。オムニバスCD「ガールグループ天国 VOL.2」で容易に聴くことができます。

この曲の作者である穂口雄右氏ご自身による解説はこちら↓で読めます。

穂口雄右氏インタビュー【第1回】フィーバー / 熱い気分のさめないうちに
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(手拍子)ポップ偏差値合計
987910898573


FIRST CLASS / CANDY LP「SOFTONES & FIRST CLASS / TOGETHER '82(PARK-WAY1001)」収録
(「FREE SOUL 2001」P.75掲載)(甘茶ソウル百科事典P.47掲載)


SOFTONES

所謂甘茶ソウルの二つのグループが全盛期を過ぎ、後年になってから競演した82年のアルバムより。プロデュースはGEORGE KERRなのでLOVE MINUS ONEなどの甘茶ソウルも入っている。

この曲で聴かれるリズムはディスコというよりはむしろフィリーダンサーに近いが個人的にはその軽いノリからモダンダンサーにカテゴライズしてもいいと思う。そんな軽やかなリズムも特筆すべきだがもう一つの魅力はメロディの明るさ、爽快さ、元気さにあるね。大味なのできめ細かで胸の高鳴るというタイプではないがテンションも高く、踊るにはもってこいだろう。約6分と長く楽しめるのも良い。

アレンジもホーン、ストリングスも入って擬似フィリー風。ヴァイブが出だしにちょっとだけしか入ってないのが惜しい。70年代中期のフィリー全盛期に作られていたらもっと素晴らしいものが出来たんでは?と欲張りなことを考えてしまうが果たしてどうだったろうか、、、。このお皿は相当人気なようで、クラブでも相当もてはやされてそう。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(明るく軽いノリ)ポップ偏差値合計
1010989697573


FRANKIE VALLI / NATIVE NEW YORKER '77「Lady Put The Light Out(PRIVATE STOCK PS7002)」収録

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原曲はフリーソウルコンピで人気のODYSSEYの方の模様。しかしながら出来は遥かにこの元FOUR SEASONSのフランキーヴァリのバージョンの方が素晴らしく、どっちが黒人がやっているのか分からなくなるほどの出来栄えだ。橋本徹氏は「FREE SOUL 2001」のP.77においてこのオデッセイ版を紹介しているが一体全体何故にそちらを選んだのか?山下達郎もオンエアしたものだが、未だCD化されていないのが残念である。

出だしのサックスは摩天楼輝く夜のマンハッタン島を彷彿させ、続く粋な女性コーラスもこの曲の出来の素晴らしさを予感させてくれ、その後も全体にフューチャーされ全体の華やかなムードを演出している。チャカポコギターや華麗なストリングス、躍動感溢れるドラム&ベースなどフィリーサウンド全開なアレンジは流暢で滑らかでしなやかなことこの上ない。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(フィリー全開)ポップ偏差値合計
7998108107573


DELLS / WEAR IT ON OUR FACE '68 (CHESS 169 511)

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U.S.BLACK DISK GUIDE #39 「THERE IS (CADET 804)」収録。そこでは鈴木啓志氏は特にコメントしてないが、「THERE IS」と並び、否それ以上に素晴らしいダンサーがこの曲。一応隠れた名曲ということになるか。デルズは甘茶ソウル的にも佳曲が多いが、その完成度の高さゆえ個人的にはそれらの楽曲にはあまり魅力を感じない。むしろ68年の荒削りで緊迫感がヒシヒシと伝わってくるこの時期の方が圧倒的にグッとくる。特にこの「WEAR IT ON OUR FACE」はアップテンポで骨太のグルーヴ感が素晴らしく、リードの熱気とそのひたむきな姿勢に惹かれる。「ンーンン、ンンン、ンンン」という楽しいハミングや「アーイヤイヤイヤー」といったファルセットの陽気な遠吠えなども愛嬌があって最高。思わず一緒になって裏声をあげてノタウチ回っちゃうよネ?。これはノーザン系クラブでは相当受けてるんだろうなあ。基本はタイトで歯切れの良いリズムなんだけど後半に向けてフィルスペクターの「IKE & TINA TURNER / RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH」的にストリングスなどで厚めに盛り上げていく演奏も最高に気持ちいい。ミラクル・ノーザンダンサーと断言。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(グルーヴ感)ポップ偏差値合計
898910798573


【 ポップ偏差値 72

RICHIE ROME / REMEMBER ME LP(ELEKTRA 6E-256)'80

RICHIE ROME deep.jpg

フィラデルフィアのソウル/ディスコ系アレンジャーとして活躍したリッチー・ロームのソロアルバム「DEEP」収録曲。約7分もの甘いムードを持つゆったりとした曲で、ムード・ミュージック的とさえ言えるような内容ですね。ヴォーカルもソウル音楽としては邪道とも言えるヴォコーダー処理されたもの。然しながらそのメロディは甘く優雅でなだらかだし、都会的な洗練された雰囲気をも醸す心地よいサウンドも極上物。非日常的で幻想的な世界が悠久の時のようにゆったりと、ゆったりと流れていくのです。こうした世界観を確立させるのには、ヴォコーダー処理が非常にうまく機能したと言えるのではないでしょうか。ソウル・ヴォーカルにおける過剰な黒人臭を感じさせないという点においてフリーソウルがお好きな方にも気に入ってもらえるのではないかと思います。「YOU TUBE」で聴けます。

OTIS CLAY / THE ONLY WAY IS UP '80 (ECHO 2003)

OTIS CLAY  THE ONLY WAY IS UP.jpg OTIS CLAY 78NEN.jpg OTIS CLAY 79.jpg

初めてこの曲を耳にしたのは、たしか高校生の頃に聞いていた渋谷陽一のNHKサウンドストリート。この曲目当てに画像の日本盤を買ったんだけど、この曲以外はDEEPで全然ついていけなかった苦い思い出があります。オーティスクレイと言うとバリバリのディープソウルシンガーなので、ちょっと知識のあるフリーソウルファンには敬遠されそうだけど、この曲の爽快なサウンドは将にフリーソウル好きの望むそれ。「JOHNNIE TAYLOR / YOUR LOVE IS RATED X」もディープソウルながらその軽やかなサウンドからフリーソウルコンピに収録されましたが、この曲も同様の観点から収録されるべき最重要曲です。基本はアップテンポで軽快なダンサーですが、ここで聞けるストリングスは華麗で流暢で空高く舞い上がるその飛翔感は相当なもので、黄金旋律と呼ぶに相応しい素晴らしいアレンジです。加えて歯切れの良いブラスとちょいDEEPなヴォーカルとで、明るく乾いた実に高揚感のあるポップなナンバーに仕上がっています。メロディも味わい深くていいネ。画像2は78年の来日公演の模様。画像3は79年の来日公演の模様。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(飛翔感)ポップ偏差値合計
871089988572


小沢健二 / ドアをノックするのは誰だ? '94 作曲編曲小沢健二 ストリングスアレンジ服部隆之

OZAWA DOOR.jpg OZAWA DOOR2.jpg

「JACKSON 5 / I WILL FIND AWAY」の導入部と「ERIK KAZ / COME WITH ME」のリズムが主な元ネタ。ERIK KAZ版をテンポアップさせ手拍子を入れ躍動感を持たせたリズムはジャクソンファイブにも通じる黒いグルーヴが感じられる。そこに華麗なストリングスアレンジを入れるという趣向は素晴らしいアイデアで、単純明快なポップスに優雅な華を添え、70年代以降から続く日本流歌謡ポップスの一つの頂点とさえ感じさせてくれる。ヴォーカルは少年っぽい弾けた感じがよく出た発声で曲調にマッチ。早口で歌いまくる部分やスパイス的に入れる英詩フレーズなど含めたメロディは、まるで大海原を自由にスマートに泳ぎ回るイルカのよう。そうした様々な要素をうまく纏め、明るく楽しく踊れる曲に仕上げた小沢健二の才能には脱帽。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(編曲の妙味)ポップ偏差値合計
7878101098572


【 ポップ偏差値 71

EON / NO LOVE IS GREATER THAN OUR LOVE LP(SCEPTER SPS 5122)'75

EON.jpg

ニューヨークのマイナーなコーラスグループ、イーオンの同名アルバム収録。所謂フィリーダンサー・タイプの軽快な曲。軽やかなピアノに爽快なストリングスが空を斬るという垢抜けたイントロから始まります。リズムは軽めでもう少しベースに重量感が欲しい感じもするけど、疾走感は抜群ですね。リードの声質もカラリと乾いた陽性のもので明るい気分にさせてくれます。また、爽快なタイトル・コーラスが秀逸で、まるで楽曲の主役かのように全体をグイグイ盛り上げます。更に終盤には「ウウウーッ!」というこれまた実に爽快なコーラスが入り高揚感ここに極めりという感じ。マイナーグループならではの緊迫感と味わい深さ、70年代ソウルの持つ華麗で爽やかな明るさを感じさせてくれるナイスダンサーです。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(爽快なコーラス)ポップ偏差値合計
881097888571


TEDDY PENDERGRASS / DO ME '79 「TEDDY」収録 「FREE SOUL 2001」未掲載

TEDDY PENDERGRASS  DO ME.jpg TEDDY PENDERGRASS  DO ME 2.jpg HIGEDANCE.jpg

PENED BY K.GAMBLE&L.HUFF / ARRANGED BY DEXTER WANSEL / RECORDED AT SIGMA SOUND STUDIOS , PHILADELPHIA ということで、生粋の後期フィリーダンサー。ドリフターズのヒゲダンスの元ネタ。その存在は知っていたものの、「ああ、ドリフのあのコミカルなリズムね~」と鼻から馬鹿にしていたのだ。ところが山下達郎SSBで2002年にオンエアされ、そこで始めてこの曲を耳にし、大衝撃を受けた。濃い、熱い、黒い、超凄ファンキー、カッコイイ!この単調ながら重量感のあるベースラインのうねりと躍動感いっぱいのテディの歌、タイトなドラムプレイ、突き刺すようなホーンなどのあわせワザに寸時にノックダウン。こんな素晴らしいグルーヴを持った曲を先入観抜きで味わえない日本人は不幸だネ。一人でも多くの日本人がドリフ/ヒゲダンスの呪縛から逃れ、この熱いグルーヴに真に酔いしれて欲しい。その為にも橋本徹氏にはこの曲を是非フリーソウルコンピに入れてもらいたい。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(うねるベース)ポップ偏差値合計
7989107106571


NORFOLK / COWBOY'S TO GIRLS '80 12"(BARBARA JEAN INTERNATIONAL 751)

NORFOLK  COWBOYS TO GIRLS.jpg

U.S.BDG313のMIRAGEもやっているJ.R.BAILEY作「Don't Ask Me(TRENTON INTERNATIONAL 45001)'78」は渋いバリトンの語りやリードの洗練された歌声、甘いストリングスなどどれをとってもMIRAGE版を凌ぐ傑作甘茶ソウルだった。そのグループが本作では往年のINTRUDERSのヒット曲「COWBOYS TO GIRLS」を素晴らしいモダンダンサーとして焼きなおしている。原曲のアメリカの西部劇の世界を感じさせるような古き良き時代の香り、気だるいムードはここでは完全に払拭。出だしの小気味良く転がるヴァイブは洗練されたムードを醸し出し、元気の良い掛け声で気合付け。手拍子の入ったノリノリのリズムと明るいメロディ、スマートなアレンジが実にカッコ良く踊るにはもってこいだ。原曲をここまで崩し、洗練された真新しい曲として再構築したのはJ.R.BAILEY、センスいいネエ。この曲はモダンダンサーを代表する曲と言えるだろう。甘茶ソウル百科事典P.66掲載で88年の「YOU'RE MY DOLL BABY(MIDNIGHT LOVE 001)」は少し暗めだがやはり洗練されたムードが良いなかなかのダンサー。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(モダンダンサー)ポップ偏差値合計
888810897571


GINO VANNELLI / JACK MIRACULOUS '74 LP「POWERFUL PEOPLE」収録

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イタリア系カナダ人シンガーソングライターの74年のアルバム収録曲。小刻みな演奏を継続するキーボードの音色が実に引き締まっていてクール。非情なまでの冷静さを感じさせながらもグルーヴは熱く濃い。ドラムスも小刻みに打ち鳴らされ、二層で展開されるキーボードの音色ともども密度は高く、音空間貧乏性な人には堪らない魅力となっています。疾走感もバッチリで、これはかなりクラブ映えするでしょうねえ。明るく弾けた陽性なヴォーカルもなかなかファンキー。大味で飽きやすいのがタマにキズかな。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(小刻みキーボード)ポップ偏差値合計
88899798571


FRANKIE VALLI / SWEARIN' TO GOD '75 「CLOSE UP」収録

SWEARIN’ TO GOD  FRANKIE VALLI.jpg FRANKIE VALLI CLOSEUP.jpg

元フォーシーズンズのフランキーヴァリのソロアルバム収録曲。録音はNEW YORKでプロデューサーはBOB CREW、アレンジはCHARLES CALLELO。(この通称チャーリー・カレロのアレンジに惚れこんだ山下達郎が76年のソロアルバムのアレンジを依頼したのは有名な話です。)同じディスコ系サウンドとしては先に取り上げた「NATIVE NEW YORKER '77」も有名ですが、こちらも甲乙付け難い素晴らしい出来。

曲はいわゆるフィラデルフィア・ソウル風の華麗なるニューヨーク・ダンス・サウンド。明るく爽やかで高揚感のあるメロディと全体に漂う乾いた、引き締まった空気感。週末の夜の何か楽しい事が起こりそうな期待感いっぱいの雰囲気がいいですねえ。流麗なストリングスや華やかなホーン、切れの良い女性コーラス等を配し、ひたすらゴージャスに作りこまれたサウンドが特に素晴らしいです。フィリーの黒人的グルーヴをうまく消化し、更により都会的に、いい意味で白人的に洗練された内容に仕上がっています。

実はベストアルバムなどに収録されている、おそらくは多くの方が既に耳にしているバージョンは、4分程度の短い7インチシングル・バージョンなのですが、アルバムや12インチのものは10分36秒と長いバージョンです。当然こっちのロングバージョンでないと、この曲の魅了が半分未満しか伝わらない事になります。長らくCD化されていなかったこの曲ですが、2008年になってようやく「CLOSEUP/VALLI」の二枚のアルバムのカップリングでCD化されました。(「YOU TUBE」には短いバージョンしかアップされてませんからご注意を。)
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(華麗なサウンド)ポップ偏差値合計
77879899571


【 ポップ偏差値 70

PHYLLISS BAILEY / IT'S EASY '78 「PHYLLISS (Ameri-com)」収録



78年産のマイナーなレディソウルの自主制作アルバム収録曲で「FREE SOUL 2001」掲載曲。軽やかなリズムにのった憂いを帯びた悲しげな曲だけど、メロディラインが兎に角素晴らしい。途中転調したりと複雑な展開をみせるのですが、構成されるメロディはどこをとっても美しく滑らか、かつ濃密で芳醇な味わいがあります。流麗かつ扇情的なストリングスを伴って高らかに歌い上げるタイトル部分の盛り上がりも感動的。控えめでお淑やかな感のあるヴォーカルの唱法もレディソウルとしては実に好感が持てるのです。知名度も皆無に近くソウルファンの話題になることもほとんど無い、まさに隠れた名曲中の名曲って感じです。

「YOU TUBE」で聴けます。

AL HUDSON & THE SOUL PARTNERS / MY NUMBER ONE NEED (ATCO 7011)'75
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75年製ということなので、1stアルバム「ESPECIALLY FOR YOU」より以前に発表されたもののようです。ねっちょり甘いというタイプの曲ではなく、爽やかで明るく、ちょっぴり酸っぱさを兼ね揃えた可愛らしい作品。後のONE WAY時代の「WHO'S FOOLIN' WHO」にも通じる、高度に熟成した、他に類をみない味わい深い素ん晴らしーいメロディを持った曲。ミディアムタイプでどこか切ない雰囲気が漂うところも一緒です。

更にヤング甘茶グループ、PRESIDENTSなどにも通じる、若さゆえの弾力性、青臭さ、緊迫感を加えた感じの、より素晴らしい内容と言っちゃいましょう。ヴォーカルは切なく一本気なぐらいの真摯さを感じさせますが、時折入る明るくひょうきんなコーラスにより、更に感情が増幅されて伝わってきます。明るい笑顔で泣きながら歌う、みたいな感じネ。「WHO'S FOOLIN' WHO」やPRESIDENTS好きならオススメです。

VICKI LAWRENCE / NEVER GONNA LET YOU GO '79 「NEWBORN WOMAN (WINDMILL)」 「FREE SOUL 2001」P.78

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全く聴いたことがない名前だったのでネットで調べてみたのですが、アメリカの白人女性でメインの職業はドラマ女優のようです。これはそんな彼女のサードアルバム収録曲。ここまでの情報からは想像も付かないような物凄く素晴らしい濃密な甘いメロディを持った絶品曲で驚かされました。ちょっと憂いを帯びたメロディとバックサウンドの緊迫感。透明度の高いストリングスとコーラスにフワフワと浮遊感のあるギター。それらとソフトで淡々としたヴォーカルが交じり合って出来た夢見心地な大傑作曲。明るくポップな曲ではないがフリーソウル偏差値は相当高い。ジャンル的には私は全く無知なAORか?こんな素敵なAOR曲、もっともっと知りたいものです。どなたか教えて!

【 ポップ偏差値 69

ISLEY BROTHERS / PARTY NIGHT '81 「GRAND SLUM」



81年当時NHKサウンドストリートで渋谷陽一に「その実力からアメリカではEARTH,WIND&FIRE並の人気を誇るけど日本での知名度はいまいち」と紹介されていたアイズレー・ブラザーズ。当時このPARTY NIGHT収録のアルバム「GRAND SLUM」は山下達郎と共に木曜金曜と連続で(別曲が)紹介されていた記憶があります。その後フリーソウルシリーズが出されるなど大部評価も高まった気がしますが、もっともっと評価されていいグループだと思いますね。

アップテンポでディスコノリのこの曲は軽やかな手拍子に派手に動き回るベースの対比でスマートかつグルーヴィな魅力を持つ素晴らしい曲。ちょっとしたブレイクを入れたりと凝ったサウンドに抜群のセンスを感じます。更にファルセット気味に歌うヴォーカルもおたけびを入れたりと激しく動き回り、全体として感じさせる黒人特有の黒いグルーヴはディスコものとして極上のものと言えるでしょう。ヴォーカルスタイルやサウンドが同時期のマイケル・ジャクソンに近い雰囲気もあるから、仮にマイケル・ジャクソンがこの曲をやっていたら彼の代表曲として世界的大ヒットを記録したんじゃないかな?この曲のアイズレーによるライブ演奏も見てみたいものだけど、マイケルによるカバーと彼のパフォーマンスも見てみたかったかも。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(グルーヴ)ポップ偏差値合計
887810797569


WINDROSE (SUE WILLIAMS) / JUST FOR ME '80




私はレコードショップなどのサービス品として提供されていたセレクトテープやミックステープの類が好きで昔はよく集めてました。効率よく良曲を聴けるのと同時に、所謂レア高値皿の音源やそのセレクターのセンスが光る選曲などを楽しめる一石三鳥ぐらいの絶好の媒体だと思います。良いセレクトテープは沢山あったけど、その中でも私の記憶に深く残るのが渋谷に現存するフェイスレコードさんのもの。1990年代初頭にここで「FLOW MIX VOL.1 (FR001)」と「MELLOW VOL.1 (FR004)」を購入。画像をご覧頂ければ分かりますがかなりマニアックかつ素晴らしい選曲の数々。実は当ブログ既出の「PHYLLISS BAILEY / IT'S EASY」,「JESSE GREEN / COME WITH ME」等はこのセレクトテープが情報源。この手のセレクトテープやミックステープでお勧めのものをどなたか教えてくれませんかねえ。同時にFACE RECORDSさん製作の他のセレクトテープ(少なくともFR002、FR003が存在するはず)の情報も募集します。

こうしたテープで知った良曲は次の段階として、より高音質で聴きたくなるものなんだけど、この「MELLOW VOL.1」収録の「SUE WILLIAMS / JUST FOR YOU」という曲は世の中の大半の良曲の情報がDISCOGなどで調べることが出来る現代においても未だ何の情報も得られない個人的に正体不明な謎の曲でした。(先日自己解決しましたが。)

女性ヴォーカルSUE WILLIAMSが属するWindroseはテキサスのAOR系のローカルバンドで、この「Just For Me」は彼らの80年の1STアルバム収録曲。恐らくは自主製作盤とのことで、知る人ぞ知るかなりマニアックな存在みたいですね。しかも白人グループの曲ということでソウルファンにもほとんど語られずにきた幻の逸品と言ってよいでしょう。曲は女性ヴォーカルの爽やかなものなんだけど、憂いを帯びた甘酸っぱいメロディは実に良く出来ています。サビも素晴らしいけど全体を通じて胸がキュンとときめくメロディ展開は絶品と言うしかないですね。軽やかなグルーヴに甘いメロディということでフリーソウルファン、甘茶ソウルファンどちらにもお勧めです。

「YOU TUBE」で聴けます。

BILLY WOOTEN / CROWN ROYAL 「LOST TAPES」

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ジャズ・ファンク系のヴィブラフォン奏者、ビリー・ウッテンの未発表音源集「LOST TAPES」収録曲。元々は79年のアルバム「In This World」に収録されていた自作曲ですが、ゆったりとした曲調だったオリジナルを性急な内容に作り変えたバージョン。

心地良いヴァイブの音色が軽やかに響くイントロはポップでキャッチー。ラテン風味を交えたスピード感満点の黒いグルーヴに乗りながら、全編に渡りスマートに奏でられる、その清涼感はとても美味。クールさと同時に内に秘めた情熱というか熱気をも感じさせる実に奥深い作品です。インスト曲でありながら瑞々しさ、切れ味の鋭さを感じさせ、密度の高い音作りで全く飽きさせませんね。

HMVの案内を読むと、この曲を「ラテン・フュージョン」と形容しています。こんな素晴らしい「ラテン・フュージョン」曲をもっと知りたいものです。それとここで『世界3大ジャズ・ファンク・ライヴ名盤』なんて表現がありますが、残りの二つって何なんでしょう?分かる方教えて下さい。

「YOU TUBE」で聴けます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(軽やかなヴァイブ)ポップ偏差値合計
78799798569


DANIELA UND ANN / THE PAIN IN MY HEART '69 「SAMBA-SOUL-BEAT IN BLACK & WHITE」収録

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ドイツのソフトロック系の二人組み女の子ユニットによる、ボスニアヘルツェゴビナ生まれのジャズ・トランペッター、DUSKO GOYKOVICH(ダスコ・ゴイコヴィッチ)の「INGA」のカバー曲。原曲は薄味のジャズ・ボサノバだけど、ここではこってりとしたソウル風サンバに仕立て上げてます。危険な香りのするイントロは往年のスパイ映画007シリーズのイントロにでも使われてそう。そんなどこか怪しげな中近東風なムードに、リズムはヨーロッパ風の固めのサンバ・トラック。そして歌うは白人、黒人混合二人組みユニットとくるから、なんとも多国籍的な異国情緒が漂います。

メロディは起伏に富みながらも滑らかで終始美しいラインを描き、甘く危険なムードを醸しながらも上品さと優雅さも兼ね揃えた秀逸なもの。この曲でどちらがリードを取っているのか分からないけど20歳前とは思えないほど情熱的で緊迫感のあるソウルフルなヴォーカルが冴え渡ります。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーヴメロディ器楽瑞々しさボーナス(危険な香り)ポップ偏差値合計
598791088569


DAVID RUFFIN / WALK AWAY FROM LOVE (MOTOWN 1376)'75

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ソウルファンならみんなが大好きな「DAVID RUFFIN / WALK AWAY FROM LOVE」 。鳥肌ものの素晴らしいメロディが有名で山下達郎も既に3回もオンエアしてるね。個人的には「YOU KEEP ME HANGING ON」、「SOMETIMES WHEN WE TOUCH」と並んでカバーバージョンの多い世界三大黄金旋律曲の一つだと思っています。

軽快で煌びやかなミディアム・リズムに爽やかな女性コーラス。アメリカの70年代中期の乾いた空気に清く澄んだストリングスが素晴らしいトラック(このトラック何故使いまわされないのかなあ)。随所に入るドラムのフィルインもトラックにメリハリをつけててカッコ良く決まってるぅ!こんなトラックだから誰が歌っても良さそうなもんだけど、デヴィッド・ラフィンのこれぐらいクドめの歌でないと歌が埋もれてしまってたかも知れませんネ。

この曲のカバーなどについて以前書いたもの「みんな大好き DAVID RUFFIN / WALK AWAY FROM LOVE のKEN BOOTHE によるカバー」もご参照下さい。

good guys don't always winのアドヒスタさんの紹介記事、「Walk Away From Love-David Ruffin」もどうぞ。

なお、「YOU TUBE」にこの曲の動画がアップされてました。口パクみたいけど、いい感じで歌ってます。
明るく元気テンション高揚感疾走感グルーブメロディ器楽瑞々しさボーナス(軽快なミディアム)ポップ偏差値合計
6610681099569






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フリーソウルコンピ未収録推薦曲(2)


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